九州から出たのは、生まれてこのかた、3度ほど。
ほぼ自宅の周辺の50メートル四方で生活しています、ぱつぷフィフティ、現役バリバリの箱入りおじさんです、しくよろ。
うわ〜人生初だらけ。
今年の俺の運勢なんかおかしい。
皆が普通にやっている事がこんなに難儀でスリルに満ちているとは、知らなんだ。
世間の人達はスリルジャンキーなのかも知れんね。
俺はこの度、娘の大学進学の為に、賃貸のワンルームをネットと携帯のテレビ電話だけで借りてしまった。
建物も部屋の間取りも見る事なく。
これでいいのか?
テレビ、ネット、ガス、水道、電気の契約。
レンタカーを借りて引っ越しの準備。
駐車場の手配。
果たしてあちらではちゃんと話しは通っているのだろうか?
こんなんでうまくいくのか?
大学の入学の手続き(金払うだけだけど)
高校卒業したと思ったら、一息つく間もないのですよ、まったく。
で、
その前に、ライブ。
忙しい。
忙しすぎる。
そして、不条理は世の常。
愛情と義務の狭間にあるのはいつも金でござる。
無償の愛情というやつに突き動かされ、老眼鏡と携帯電話とハンコを武器に、役所や不動産仲介業者、電気水道ガス会社に立ち向かいます。
貯金通帳というヨロイは思いのほかペラッペラで、全ては可愛い娘が為と、あんな物やこんな物を諦めながら、俺の老後は更に薄く軽くなってゆく。
そして慣れない初の交渉契約ごとにいっぱいっぱいになりながらもどうにかこうにか前に進もうとする俺に、
頑張ってる俺に、
尚且つ時折襲いくる喪失感ってやつ。
(当の娘は友人との別れを惜しみ、ほぼ毎日遊び呆けているのだが…)
例えるならそれは、テレビや映画なんかでグッとくるシーンに思わず熱いものがこみ上げてくるが、一緒にいる奴が絶対に悟られたくないような奴で、その為にこみ上げてくるものをずっとぐっと飲み込み、尚且つ、平静を装っているような感じ。
このような避けようのないセンチメンタルこそ、まさに暴力!
不条理かつ、如何ともし難い暴力なのだ!
キィィィィィーーーーーー!!!
などという、身勝手な自己憐憫と未知なるものへの不安に俺はやや打ちのめされ気味で、片道12時間の冒険を楽しむ気力が湧いてこないのだよ。
ホント、今のところ。