こころのしっぽ

裏めしや
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土をいぢりたいお年頃
遂に来ましたね、梅雨。
今日は一日中これぞ梅雨、というお天気。
雨は嫌いじゃないよ、朝の雨も、夜中の雨も、お布団の中で聴く雨音はなぜか気持ちを落ち着かせてくれるから。
しかし世の中、色んなところから死体が出てくるね。
金銭、愛憎、看病疲れ、放置、あらゆる場所に死体が
こっそり置いてあったり、巧みに隠してあったり、腐ってたり、新鮮だったり・・・
そういやあ近所のあの男、最近見掛けんがそのうち何処ぞからゴロっと出てくるんじゃないかいな。

と書いたのは、日曜日、月曜日にバイトがドタキャンしやがって、今度出勤したときにはどう料理してくれようかと、報復措置の思案に明け暮れた月曜日。
火曜日はお休み、朝から中庭の芝のお手入れ。
今日は、モー介のお友達で土建屋のしゃっちょさんが、山砂を運んできてくれるので(ロハで)、中庭に敷き詰めてでこぼこを修正することになっている。

朝から労働を始めるとブレーキが効かなくなる僕は思い立って県道に面した花壇(緑地帯)にレンガを敷き詰める事にした。
モー介を召集、その間剣スコにて約20立米の土を掻き出す。
二人してナフコにレンガを買いに行く。

建材コーナーにはレンガが色々あって迷ったが、中でも一番いびつな、ともすれば失敗作に見えないでもなく、アンティーク調という売り文句で全てを誤魔化してしまっている強烈なレンガを購入する事にした。 1個98円。
個数の計算が面倒なので、近くにいた店員さんに尋ねてみることにした。

「2平米に敷き詰めたいんですけど、何個買えばいいでしょうか?」

「ちょっと待っててねぇ〜い〜まぁ、計算するから」

その店員さんは、手の甲から肘まで加山雄三並みにお毛々もじゃもじゃで、ポロシャツからはみ出した胸毛は、フェニックスの模様を想像させ、髭の剃り跡がビバリーヒルズ青春白書のブランドンのお父さん並みに真っ青で、頭はつるつる。
男性ホルモンの塊、アメリカンセックスアピールの集合体である彼は何処となくマニアックで、なぜか頼りになりそうな雰囲気をかもし出しているのだった。

「そうね、350個!」

きっぱり言い放った彼の表情は難問をクリアーした達成感と、アホみたいな面をした兄弟の客に対する優越感すら漂わせていた。
しかし、たかが2平方メートルの土地に21×9センチのレンガ350個、アホ面の兄弟にもとんでもない事が起ころうとしているという事は、容易に窺えた。
俺はイギリス辺りのカントリーガーデンでレンガを敷き詰めた小道を歩くモー介を想像した。 「あっ、ちょうちょ」 何だか分からなくなってきていた。

「んん?」

彼も少なからず不安だったのか、レンガコーナーに行って採寸しなおしたり、訳の分からん複雑な数式に仕立て上げてしまって暗号をちりばめたようになったメモ紙を握り締め、今までの自分の労働を何とか徒労に終わらせぬよう必至になっている様子。

「150個だ、150!」

「それは隙間なく敷き詰めた数字ですか?」

「ああ、隙間ね、隙間空けたほうがいいよ、見栄えが、じゃあ・・」

「70個、70個でいいよ」

70でいいのか・・・もし350個買っていたら5倍だから10平方メートル分のレンガだった。
いまや彼は正確な計算というより、永年の勘で割り出した数字を言っているようだが、少しこのドタバタにうんざりしてきた俺たちは、素直に70個の購入を決めた。

「一つ一つ焼きが違うからね!」

「ですね、これなんかヒビだらけで・・・」

「それがイイのよ!それが! 裏を使うほら」

たちまちレンガは真っ二つに。

「これはダメだ、ハハハ、俺はこんなのが好き! これとか、これ!」

しまいには彼の好みの焼け具合のレンガばかりが僕らの前に積みあがった。

「これは北欧の方の暖炉に使うレンガだから、焼けば焼くほど強くなるよ」

「へえ、じゃあ北欧のどっかから輸入したんですか?」

「いや、それを真似て中国か台湾で作ってる」

僕の中で一気に物質的な価値が下がると共に、中国で今問題になっている
『誘拐、強制労働、レンガ工場』 という関連ワードが頭に浮かんだ。
いい感じに味のあるヒビや焼きムラも、北欧のゆったり、おっとりした国民性の賜物ではなく、劣悪な労働環境からひりだされた粗悪で何のこだわりもない物に思えてきた。
つまりかるく ボラれた 気分だ。




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