こころのしっぽ

裏めしや
<< 危機一髪 | main | 休日 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | | - | - |
渡る世間はバカばっかり じゃない
うちには3台のガチャポンが座っている。
儲けにはならない。
友達がガチャポンの卸をはじめたので、置いてあげたのだ。
もう、3、4年になる。8月の終わりには撤去が決まっている。

「すいません、ガチャポンが出ません」
えんじ色の体操服に、ヘルメット、テニスのラケットを自転車の籠に入れた中学生だった。
チビで、どこかしら弱っちい感じがしたのは、体操服のサイズが妙に大きく、上着を全部ジャージの中に突っ込んでいる恰好の所為だった。
めんたまがぎょろぎょろして、日に焼けた肌は黒いと言うより赤かった。
鼻の下のふわふわした産毛がアンバランスで、一瞬この子の日常に思いを馳せ、少し幼稚なのかな?と、思った。

「600円入れて、やっとでました」

「で、ガチャポンは?」

「友達と交換して・・・」

私は、カギを持ってきてきて、お金の入る箱を調べた。
案の定、一円も入っていない。
少年はなにやら落ち着きがなくなり、

「昨日でした、友達に頼まれて・・・いっ、いたずらでこんな事やってるって聞きました。 いたずらだったのか・・・」

少年は最初の方とは主張を変えている。
雲行が怪しくなってきた。

僕は黙ってお金の箱を全て開けて見せた。
別に真相を暴きたかった訳ではなく、淡々と作業をしただけだ。

「友達にはよく言って聞かせときます」

「そう、じゃあ言っといて」

そそくさと自転車にまたがり、ヘルメットも装着せず、立ちこぎで去っていった。

どこかの店で、旨いこと金をせしめて味をしめたのだろう。
しかし、次から次と嘘が出てくる。
あれくらいの歳のなら黙りこんでしまうのが普通だろう。
よっぽど大人をなめているんだろう、自分の幼さを武器にして。
バカなお姉ちゃんに通じるものがあるな。

私は、呼び止めて説教する事も、諭す事も出来た。
しかし、彼が頭の中で一体どんな奴に濡れ衣を着せたかは知らないが、話す気もおこらなかった。

一種の虚言癖は治らない。 あの子の将来も大体察しがつく。
登りつめてカルト教団の教祖か、詐欺師。
普通の人生を歩んでも、電話で勧誘する仕事や、年寄りを集めて最終的に法外なローンを組ませるような、ゲスな仕事が関の山だ。
今は、稚拙な狡猾さに大人も舌を巻いているだろうが、所詮もって生まれただけの無駄な才能だ。
どこででも通用するほどの綿密さや、苦労の痕が無い。
彼は自分で自分の世界を狭くする。

僕は、誰しもに分かつ愛など有り得ないし、必要でもないと思う。
少年の未来が絶望的でも、何を感じる必要があるのか。
渡る世間は鬼ばかり、とは思わないが、バカばっかりじゃない。

だいいち大人は、はたから見るより、飲み屋で見るより、お姉ちゃんにこびてる姿より、若者に迎合する姿より、メディアに振り回される姿より、会社にぶら下がろうとする姿より、権力に寄り添おうとする姿より、ずっと悩んでるし、複雑で思慮深い生き物なんだ!

と、思いたい。 ジャンジャンくるりんるんるん
| ぱつぷ | ぼやく日常 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | - | 22:00 | - | - |









トラックバック機能は終了しました。
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   
<< September 2020 >>

このページの先頭へ